①【駄農園】べにふうき2nd 2024
茶葉に熱湯を注いだ瞬間からアッサム系の甘やかな香りが感じられ、美しいワインレッドの水色と共に、海外紅茶のようなボディ感を堪能できる紅茶です。最初の5分程度は甘味を感じさせる味わいですが、以降は紅茶らしい重厚な渋みが特徴となり、最終的にはフルボディの素晴らしい紅茶感が堪能できるようになります。
国産紅茶はまろやかなテイストのものが多い中にあって、本品の価値は海外紅茶のような本格的な味わいが楽しめる点にある、と言えるでしょう。アッサム系の甘い安納芋のような香りも素晴らしく、味わいと香り両面において高い品質を保持しています。
3グラムの茶葉に、湯量は350ml、100℃の熱湯で5分以上しっかり蒸らせば、ボディ感を堪能することができます。
②【中窪製茶園】やぶきた1st 2024
心地よい花香を呈し、日本茶がもつ"奥深さ"がよく表現されたライトボディの紅茶。ものすごく強く主張する香りではないものの、香り自体が持つ芳ばしさや上品さが素晴らしく、また見た目の水色以上に”味わいのコク”を堪能することができます。
香りの感じ方としては、特に淹れ立ての揮発性の香りの面で華やかでフレッシュな花香が感じられます。またしっかり抽出した際には、柑橘のようなフルーティさが感じられるようでもあります。味わいはライトで水色も明るく、甘味だけでなく茶の旨味も感じられるため、味わい自体にコクがあり、ライトなのに飲み応えを感じさせてくれる面白さがあります。
蒸らし時間は4グラムの茶葉に対して最低5分、その後もじっくりと蒸らしながらぜひ香味の変化をお楽しみください。
③【坂本園】さやまかおり1st 2024
発酵度が浅めに仕上げられており、中国茶や台湾茶を彷彿とさせるグリニッシュな花香を出すことに成功した人気紅茶です。例年と比較すると味わいの強さやコクがしっかりと感じられ、水色もより赤橙色に近い美しい色味を楽しむことができます。
本園の「さやまかおり1st」は水色に紅みを帯び、バランス的には例年より少し紅茶寄りの味わいが強まった仕上がりとなっています。香りはバランス良い花香となっていますが、味わいにはコクが出てカテキン由来の渋みや苦味の感じ方はずいぶん和らいでいますので、とても飲みやすく感じられるかと思います。これまでより少量の茶葉と短時間の抽出でもしっかりと香りと味わいを堪能できますので、ぜひ2024年産の新茶をお楽しみください。
4グラムの茶葉に、湯量は350mlで、4分蒸らしで美味しく入りますが、茶葉は3gでも十分に美味しく入るでしょう。